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沖縄と台湾の共通しているポテンシャル

日本人の中でも沖縄県の人とはマイペースな人が多いイメージがあり、「ウチナータイム」と言われるほどバリバリ働いているイメージは皆無です。今まではそんな仕事に対する姿勢は嘲笑の的であり、衰退していくかとさえ思われましたが、いま沖縄は「働きたい県」No.2になるほど注目されています。その理由はライフ・ワーク・バランスの良さ、もう1つは海外市場への入口としてのチャンスがあるという将来性です。

■10人に1人が沖縄で働きたい

就職・転職・進学情報のマイナビの調査によると、「もし日本全国、働く場所を選べるならどこで働きたいですか?」という質問に対し、第一位は全体の4分の1が東京都、第二位は全体の一割が選んだ沖縄県となりました。働く場所というと大都市と言うイメージ、明け透けに言うと本州にあるという先入観さえありましたが、なんと第二位は本州から離れた沖縄県でした。

就職先として沖縄県に求められているのは沖縄の穏やかな風土や気候、スローライフなストレスフリーの環境です。「同じストレスを抱えるならば、ストレス解消できる環境が多い場所の方が良い」と言う意見には、現代の会社員が抱えるライフ・ワーク・バランスの一端を見ることができます。

沖縄はいまアプリ開発のベンチャー企業が比較的多く設立されています。現在アプリの開発は主力のカードゲームを中心になされているが、今後はSNS疲れ、ソーシャルゲーム疲れ(コミュニケーション過多による疲れ)が起きるという予測がされています。

カードゲームに対する疲労が起きたとき、今までSNSやソーシャルゲームに明け暮れていた人たちが何を求めるのかはアプリ開発者でも模索している最中です。その1つがスローライフの象徴でもあるキレイな景色、美しい文化、私たちの根幹たる歴史なのだと言う意見もあります。

一般的な意見ですが美しい景色を見て育ってきた人は色彩感覚が豊かだと言われています。風光明媚な沖縄県で暮らす人々の芸術作品は全体的にハイレベルだと言われています。アプリ開発の関係者によると、現時点では写真とあまり変わらないので、ここに個人の創意性が加われば化けると評価されています。

沖縄は生活と仕事のバランスをとれる環境として、豊かな創作性を育む環境として、これからの社会で大きく化けるポテンシャルを秘めているのです。

■アプリ開発のターゲットとして注目されている台湾

現在のアプリの主力であるカードゲームには世界観や文化などが色濃く残り、基本的に国内向けアプリは国内のインストールで留まる傾向がありました。しかし最近では台湾でのダウンロード数が増えていると言う発表があります。

基本的に日本国内向けのアプリを海外で利用する場合は“ローカライズ”しますが、台湾では日本のアプリをローカライズしません。その背景には台湾の親日性があります。台湾には日本語をある程度理解する人が多く、日本語のままで展開しているアプリでも抵抗なくインストールしているというのです。

そのため日本のゲーム開発業者の台湾進出は2014年から話題になっています。アプリ開発者によると簡単に操作できる(日本語が分からなくてもある程度分かるレベル)操作性をキープしつつ、設定や物語性は今まで以上のものを求められるためやりがいがあると言います。「これから」が伺える意見に台湾市場が秘めるポテンシャルを感じ取ることができます。

沖縄と台湾は気候や地理だけでなく、歴史や文化も似通った点が多くあります。相手のニーズに応えたアプリ開発ができると言うことで、台湾進出している、これからする予定のアプリ開発企業は沖縄にとても多いです。

台湾市場への進出は、その先のアジアや世界市場への進出の可能性を高めます。台湾市場は中国市場への入口であり、大規模な中国市場に参入することは大きなチャンスを得ることと同意です。日本では長くガラパゴス化が進んでいましたが、台湾という手がかりをつかむことで世界規模にアプリ市場を広げていく可能性が見えてきました。台湾市場に進出していくことは、世界に挑む姿勢のあらわれでもあり、そのポテンシャルは容易に測れるものではありません。

アプリ開発に関わらず、沖縄と台湾のビジネスは今後も共に成長して行こうとする意欲や姿勢を見せています。交通インフラの整備も国が後押ししているので、より一層台湾とのビジネスは拡大していく可能性が十分に秘められています。