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沖縄を旅行する中国人観光客が多い理由とは?

中国人観光客が旅行先として日本を選ぶとき、人気の滞在先と言うと「東京」、「京都」、「北海道」があがりますが、最近では「沖縄」という中国人観光客が増えています。特に2010年代になって沖縄県内の中国人旅行客は激増しています。その要因には国と行政の施策があります。今回は中国人観光客が沖縄県を選ぶ理由と、沖縄数次ビザについてまとめてみました。

■沖縄では個人で旅行を楽しめる

沖縄旅行が人気な理由の一つに「自由」があげられます。東京や京都で当たり前のガイドを先頭に並んで歩く中国人ツアーを沖縄で見かけることはあまりありません。沖縄に来る観光客のほとんどがレンタカーを借りて、家族単位で自由に観光地を巡っているのです。

燃費の良いハイブリッドカーのレンタル料(4日間)の平均は14,000円、保険料や緊急サービス料も込みなのでいざという時の安心が違うと評判です。1日100kmほど走っても沖縄はガソリン代が安く2,400円ほどですみます。

沖縄は日本国内でも交通事故の少ない県で運転マナーがとても良く、そのため観光客がレンタカーを安心して利用できる環境でもあります。またカーナビが標準装備となっているので観光地に楽々たどり着くこともできます。「駐車場の位置も教えてくれる」と驚く中国人観光客も少なくありません。

■3年間日本に何度もいけるビザ

レンタカーを借りて観光することは他の県でももちろんできます。どこのレンタカーも今ではナビが標準装備なのでレンタカーは比較的旅行先の足として選択肢に入りやすいアイテムです。それでもなぜ中国人観光客は沖縄を選ぶのか、その最大の理由は「沖縄数次ビザ」という日本渡航ビザです。

2011年から発給が開始され、沖縄県への観光客が激増しました。2017年4月には日本を支える観光ビジョンのための戦略の一環として数次ビザ取得要件を一部緩和しました。

沖縄数次ビザとは、「個人観光で」日本を訪れる、「一定条件を満たす」中国人に対し、最初の訪問時に「沖縄に1泊以上すれば」、その後3年間日本に何度でも行くことができるビザです(東日本大震災の復興支援の一環として宮城県、岩手県、福島県も追加されました)。日本に行きたいと思ったらいつでも行ける、その便利さから沖縄数次ビザは人気があり、必然的に沖縄県への中国人観光客は増えるのです。

中国版ツイッターの“ウェイボー“でも「沖縄数次ビザの取得方法」に関する書き込みは多いです。沖縄数次ビザの「一定の条件」を満たすためにはかなり経済力がないと難しいことから、社会的ステイタスの証明でもあるようです。

■世界7大ビーチウェディングに沖縄が選出

最近観光客に人気なのが万座ビーチのガラスの教会です。ツイッターの「世界7大ビーチウェディング」というツイートで第2位に選ばれた、世界中の花嫁が憧れる結婚式場なのです。

もちろんウェイボーでも万座ビーチのガラスの教会は紹介され、中国国内のウェディングプランニング会社はこぞって沖縄ウェディングを紹介しています。結婚式の最高のシチュエーションとして求められるのが青い空、白い雲、美しい自然、「沖縄にはその全てがある」とプランナーは推しています。

沖縄ウェディングは日本円で少なくとも40万円以上かかりますが、中国人富裕層にとっては社会的ステイタスの象徴ともなり人気があります。もともと結婚式のような観光葬祭を盛大にする文化なのか、それとも一人っ子政策によるものなのか、彼らが「子どものために」とかける費用も莫大なものです。また彼らの友人・知人は富裕層であることが多く、沖縄ウェディングに呼ばれた機に沖縄数次ビザを取得し、その後日本に頻繁にくるという人も多いようです。

中国人観光客にとって日本を旅行するということはステイタスの1つでもありますが、沖縄旅行のようにツアーで行くのではなく家族で旅すると言う形態が「うらやましい」と思われる一つの要因のようです。

沖縄県側も観光収益を主とする県として中国人観光客が個人で問題なく沖縄旅行を楽しめるように、観光案内や免税店の充実化などバックアップしています。数次ビザで中国人観光客が増えたように、国と県の協力が観光収益増加には必須なのです。