沖縄ビジネス

沖縄の経済構造と問題点をわかりやすく考察してみた-2

前回同じ題名の記事が好評でしたので第2弾を書いてみました。

第1弾はこちら

 

ここ沖縄は毎年観光地ランキング上位に選ばれ、日本、そしてアジア有数の観光地です。沖縄県経済の大半が観光業を含む第三産業に依存し、ホテルなど宿泊施設やレンタカーの店舗も年々増え続けている印象もありませんか?そして、これからの沖縄経済が進むべき道と、改善するべき問題点について一緒に考えませんか??

 

沖縄の産業割合

沖縄は世界的にも有名な観光地のため、やはり観光サービスを主体とした第三次産業の割合が非常に大きくなっています。次いで製造業や建設業などの二次産業の割合が大きくなりますが、第三次産業と比較するとかなり比率は低くなっています。第一次産業に至っては、沖縄特有の気候を利用した野菜や生花の県外への出荷もありますが、沖縄の産業全体からみれば微々たるものです。ですが、大三次産業の幅の広さを考えると、大三次産業だけに頼っていると言うよりは第一次、二次より仕事の幅が多い事も理由のひとつと考えられます。

そして大三次産業は「医療・福祉」の13,9と「卸売り・小売業」13,9が最も高く、「医療・福祉」が最も上昇している職業となっています。これからもどんどん進む高齢化社会に対応できるような土台作りを始めているのかもしれませんね。

 

平成27年度 産業割合

第一次産業(農業・林業・漁業・畜産業等) 4,9

第二次産業(製造業・建設業・鉱業・採石業・砂利採取業) 15,1

第三次産業(電気・ガス・熱供給・水道業・情報通信業・運送業・郵便業・卸売業・小売業・金融業・保険業・不動産業・物品賃貸業・学科研究・専門技術サービス業・宿泊業・飲食サービス業・生活関連サービス業・娯楽業・教育・学習支援業・医療・福祉・複合サービス事業・公務) 80,0

 

沖縄の経済産業

第一次産業

日本で唯一の熱帯性気候を生かし、マンゴー、アセロラ、パインドラゴンフルーツなどのトロピカルフルーツやサトウキビ、タバコの葉やゴーヤなどの農作物の生産が行われています。漁業では、マグロ、イカ、ブリ、アジやクルマエビの養殖が盛んです。畜産業では沖縄固有品種であるアグー豚が有名で、沖縄のブランド牛の伊江牛や石垣牛の生産にも力を入れています。最近では県外へヤギの出荷が増えているのは嬉しい傾向だと感じます。

 

第二次産業

製糖、飲料、食料品製造などの製造業や、セメント製造を中心とした業種があるがどれも小規模となっています。セメント製造には沖縄本島の本部半島には良質な石灰岩が存在し、セメントの原料や砕石・砕砂の原料として採掘されている事が理由として挙げられ、観光業と関わるホテル等箱物の建設とセメント製造には大きな繋がりがあります。そして、沖縄本島沖の海底には国内最大規模の熱水鉱床が広がっており銅、亜鉛などの他にガリウムやビスマスなどレアメタルを含む次世代の海洋資源として試掘調査が活発化しています。

このレアメタルを発見してから中国が尖閣諸島の領有権を主張してきた背景があり、沖縄を守るだけでなく日本の大切な資源を守る為にも尖閣諸島は我が国の領土だとしっかりと主張して欲しいと思います。

 

第三次産業

観光地スタッフやホテルなどの宿泊施設といった、観光サービスに関するものが最も大きくイベントやスポーツ大会の開催地としての体勢作りも推進しています。沖縄県の主な産業として「伝統・歴史・自然・食・国際色」を活かした観光産業が中心ですが、景気に左右されやすく受け身産業なのがデメリットに挙げられます。国内だけではなく海外からの観光客も多く韓国や中国、台湾などアジア諸国からは各国と沖縄を飛行機の直行便があるのも大きな理由なのではないでしょうか。アメリカからの観光客のほとんどはアメリカ軍基地関係者が多く含まれ、家族や友人に会いに来る方が多くみられます。

2000年に主要国首脳会議(沖縄サミット)が行われたのをきっかけに、国際会議場やコンベンションといったイベント開催地として色々な建物が多く作られました。そして、沖縄はスポーツアイランド構想を掲げエコツーリズムも活発化しています。それが近年多くみられるプロ野球キャンプや、サッカーのJリーグクラブのキャンプ地誘致として良い結果が出てきています。

 

米軍基地への経済依存について

日本にある米軍基地のうち、その面積の約74%が沖縄にあります。沖縄=米軍基地というイメージを持つ方も多いでしょう。そのため、沖縄の経済はこの米軍基地に関連するものに大きく依存していると思われがちです。

 

実際、昭和47年に沖縄が返還された直後は沖縄の米軍基地経済依存度は15.5%もありました。もともと沖縄は国の経済発展の過程から切り離されていたため、どうしても基地依存の消費型経済が出来上がざるを得なかったのです。たとえば基地で消費する飲食物の売買や、基地関係者への各種サービスといったものですね。

 

しかし、平成26年になると基地経済依存度は5.7%と、かなり低下しています。ですが、逆に言えばまだ5.7%も依存しているともいえます。約9,000人の県民がなんらかの形で基地施設に勤務し、沖縄県庁に次いで人気のある就職先が基地施設だという現実があります。

今後、基地の返還が進めば跡地を利用して更なる経済発展が見込めるため、さらに基地依存度は減少し続けていくと考えられます。しかし、それによる失職率の増加も懸念されているため、対策を講じる必要があります。

 

米軍基地はどうしてもデメリットな印象で伝えられがちではないでしょうか?ここ近年でもヘリの不時着など不安な問題があるのは間違いありません。ですが、ここで視点を変えて米軍基地のメリットを簡単に紹介したいと思います。海が綺麗で有名な沖縄本島のビーチはほとんどが埋め立てた後のビーチとなっており、意外にも自然のまま残された白い砂浜のビーチは米軍基地内にあるか。米軍基地として利用されていて後に返還された場所は結構綺麗なビーチとして残っているのです。有名なホテルのプライベートビーチも元は米軍基地だったり綺麗なままの自然を残してくれるのはメリットと言っても良いのではないでしょうか?ウミガメの産卵場所は綺麗な白い砂浜じゃないと、残念ながら埋め立てビーチでは見ることはできません(笑)

それに全てではありませんが一部、自衛隊と米軍が法的に基地を「共用」できるのは日米安保の件からみてもメリットだと感じます。東日本大震災3,11の際に米軍が行った「トモダチ作戦」に多くの日本人が助けられ、米軍の迅速な行動は日本という国に他国の米軍基地があったからこそだと思います。

 

沖縄の経済構造の問題点

沖縄の経済構造の問題点は、やはり観光サービスを主とする第三次産業に県の経済が依存していることです。サービスや金融、商業といった第三次産業は、利用する顧客がいて初めて成り立つ産業です。ここでは県外や海外からの観光客ですね。

 

観光地なので当然ですが、それほど観光業の割合が多いということは、観光客が減少すればそれに伴って沖縄の経済も一気にマイナスへ傾いてしまいます。観光業は景気にとても左右されやすいため、景気が悪くなれば必然的に沖縄の経済も影響を受けることになります。

 

沖縄の産業構造は全国平均と比較して、平成26年度の時点で第二次産業の比率が日本一低く、第三次産業の割合が東京に次いで日本二位というとても偏った構造になっています。そのため、沖縄が経済的に自立していくためには、現在のような偏った経済構造から第一次産業、第二次産業の割合を大きくしていく工夫が求められます。

 

那覇空港整備による航空アクセスの向上で、那覇空港新国際線旅客ターミナルや那覇港の那覇クルーズターミナルの供用開始と政府の観光立国政策としてビザの緩和等が行われたことによって外国人観光客が急増した理由に挙げられます。これらの状況を踏まえ、今後さらに観光客数の拡大を図るためには、国内観光客の安定的な確保及び海外市場に向けた積極的なプロモーションを展開するとともに、離島観光の推進、観光地としての魅力を高めるための沖縄観光ブランド力強化に取り組む必要があります。

 

沖縄の状況

沖縄に住んでいてよく聞くのが給料が少ないです。

実際に全国の平均は304.0千円(×12か月=364万円)で沖縄は236.3千円(×12か月=284万円)ということで平均より月/7万円近く低いことがわかります。インバウンドの恩恵か、最下位は脱出していますが、全国の平均からするとかなり低いことがわかります。

 

また離婚率、出生率はどちらも高いので、察するに、片親で複数の子供を抱えている方が多いのではないかと想像できます。片親で賃金が少ないとなると次に気になるのは教育だと思いますが、

やはり大学進学率は全国平均は50%以上に対し沖縄は25%台と低い数字になっています。

するとその子供は高度な教育を受けていないため必然的に、給料は低くなり、その子供もいい教育は受けられず、、、という悪循環になっています。沖縄で一番お金持ちという印象がある職業ですが、公務員です。実際に地方公務員の給料は全国平均590万円程度で、沖縄は520万程度で実際には全国平均よりも低いのですが、一般企業に勤めるよりははるかにいい給料をもらっているため、そういったイメージがあるのでしょう。実際私の周りの職業というと公務員が多く、立派というイメージがあります。次に多いのが医療と介護ではないでしょうか。最初でもお話しましたがこれからの高齢化と共に、医療と介護の人材確保が進んでいるのだろうと思います。

 

そして面白いデータとして、沖縄県は起業する方が多いというデータがあります。少ない給与ではやっていけないのが理由で、しかたなく起業するパターンもあるようです。

そして廃業率も全国で一番高い、起業するハードルが低いので廃業もしやすいという何とも不思議で「長所は短所、短所は長所」これが沖縄らしいと思うのは私だけでしょうか??