沖縄は日本有数の観光地であるがゆえに、県の経済の大半が観光業を含む第三次産業に依存しています。今現在の沖縄の経済構造の状況と、問題点についてご紹介します。
■沖縄の産業割合
沖縄は世界的にも有名な観光地のため、やはり観光サービスを主体とした第三次産業の割合が非常に大きくなっています。次いで製造業や建設業などの二次産業の割合が大きくなりますが、大惨事産業と比較するとかなり比率は低くなっています。第一次産業に至っては、沖縄特有の気候を利用した野菜や生花の県外への出荷もありますが、沖縄の産業全体からみれば微々たるものです。
平成26年度 産業割合
第一次産業(農業・漁業・畜産業等) 1.6%
第二次産業(製造業・建設業) 12.3%
第三次産業(観光サービス行・商業・金融等) 85.9%
■沖縄の経済産業
・第一次産業
日本で唯一の熱帯性気候を生かしたトロピカルフルーツや、サトウキビ、ゴーヤなどの農作物の生産が行われています。畜産業では沖縄固有品種であるアグー豚が有名です。
・第二次産業
植物資源を燃料にできるバイオエタノールの原料として、沖縄で栽培されているサトウキビが注目されています。また、サトウキビを使った製糖、アグー豚を使った畜産食品の製造が行われています。
・第三次産業
観光地スタッフや観光ホテルなどの宿泊施設といった、観光サービスに関するものが最も大きく、イベントやスポーツ大会の開催地としての体勢作りも推進しています。
■米軍基地への経済依存について
日本にある米軍基地のうち、その面積の約74%が沖縄にあります。沖縄=米軍基地というイメージを持つ方も多いでしょう。そのため、沖縄の経済はこの米軍基地に関連するものに大きく依存していると思われがちです。
実際、昭和47年に沖縄が返還された直後は沖縄の米軍基地経済依存度は15.5%もありました。もともと沖縄は国の経済発展の過程から切り離されていたため、どうしても基地依存の消費型経済が出来上がざるを得なかったのです。たとえば基地で消費する飲食物の売買や、基地関係者への各種サービスといったものですね。
しかし、平成26年になると基地経済依存度は5.7%と、かなり低下しています。ですが、逆に言えばまだ5.7%も依存しているともいえます。約9,000人の県民がなんらかの形で基地施設に勤務し、沖縄県庁に次いで人気のある就職先が基地施設だという現実があります。
今後、基地の返還が進めば跡地を利用して更なる経済発展が見込めるため、さらに基地依存度は減少し続けていくと考えられます。しかし、それによる失職率の増加も懸念されているため、対策を講じる必要があります。
■沖縄の経済構造の問題点
沖縄の経済構造の問題点は、やはり観光サービスを主とする第三次産業に県の経済が依存していることです。サービスや金融、商業といった第三次産業は、利用する顧客がいて初めて成り立つ産業です。ここでは県外や海外からの観光客ですね。
観光地なので当然ですが、それほど観光業の割合が多いということは、観光客が減少すればそれに伴って沖縄の経済も一気にマイナスへ傾いてしまいます。観光業は景気にとても左右されやすいため、景気が悪くなれば必然的に沖縄の経済も影響を受けることになります。
沖縄の産業構造は全国平均と比較して、平成26年度の時点で第二次産業の比率が日本一低く、第三次産業の割合が東京に次いで日本二位というとても偏った構造になっています。そのため、沖縄が経済的に自立していくためには、現在のような偏った経済構造から第一次産業、第二次産業の割合を大きくしていく工夫が求められます。
記事が好評なため第2弾を書いてます。