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沖縄SVを知っていますか??

 

沖縄県うるま市を本拠地にしたサッカークラブで、元日本代表高原直泰さんが立ち上げた事でも有名なので知っている方も多いのではないでしょうか??今回はこの沖縄SVについて紹介したいと思います。

 

・沖縄SVとはどんなクラブ??

元サッカー日本代表で日本のJリーグジュビロ磐田や浦和レッズ、海外でもアルゼンチンやドイツなどで活躍した高原直泰さんが2015年12月に沖縄を拠点に設立したサッカークラブです。正式名称は「沖縄sports-Verein」読み方は「オキナワ・シュポルト・フェアアイン」で愛称は頭文字を取ってOSV「オーエスファウ」と呼びます。高原さんがドイツで初めて所属したクラブ「ハンブルガーSV」が名前の由来で、ドイツに挑戦した時の気持ちを今でも忘れないようにこの名前を付けたそうです。ハンブルガーSVは現在、日本代表の酒井高徳選手やU21日本代表の伊藤達哉選手2人の日本人選手が所属しておりスポーツニュースで取り上げられる事も多いので知ってる方も多いのではないでしょうか??

 

そして沖縄SVのユニフォームは、以前高原さんがアルゼンチンで所属していた「ボカジュニアーズ」のユニフォームをモデルにして、その綺麗な青が沖縄の海や空の色と重なって見えるのは私だけでなないと思います。高原さんが「代表、監督、選手」をこなしこれまで国内、海外で自身が得た経験とネットワーク、ノウハウ全てを注ぎ込みクラブとして形にしています。練習で使用するグラウンド確保の問題や練習試合を申し込みする相手探し、リーグ運営の手伝いなど。これまで経験してこなかった事も多々ありますが高原さん自身が先頭に立ち動き回る事で、自然に周囲の人々がサポートするようになり助けられたこともあるようです。クラブの目標としている「自分たちが活動することで、地域が活性化する。」に凄く繋がってきているように感じられますね。

他にも沖縄SV所属選手が練習の合間に畑仕事をして野菜やフルーツ、米を育てて沖縄の農家さんと一緒に農業の活動を行ったりと面白いチャレンジだと注目を集めています。

 

少し前から小学生を中心にサッカースクール活動も始めていて名護市、うるま市、浦添市の3カ所でレベルの高い練習に参加できます。ジュニアユースも立ち上げており、サッカーを軸にしたさまざまな活動を通じて、地域のコミュニティー活性化につなげています。これからの沖縄サッカーの向上にも期待が高まっています!!

 

・なぜここ沖縄を選んだのか??

高原直泰さんと言えば、1999年のU20ワールドユースで準優勝した、小野伸二選手や稲本潤一選手など「黄金世代」と呼ばれた素晴らしい結果を残した世代のひとりです。個人でも2002年にJリーグの最優秀選手に輝き、その後ドイツで活躍し日本代表としても2006年のドイツワールドカップに出場したストライカーもがなぜここ沖縄を選んだのか??高原直泰さんの故郷はサッカー王国静岡県。縁もゆかりも無い土地を選んだのには大きく2つの理由がありました。

 

まず1つ目は、沖縄県ではスポーツの産業化を進めており「スポーツ立県」を目指しているのです。このスポーツの産業化にあたって、高原さんに沖縄県からお手伝いしてもらえないか?と提案したのが始まりなのです。これは全国でも例がありません。沖縄の温暖な気候はスポーツやトレーニングをやるにはこれ以上ないくらいの良い環境。スポーツを通じた地域経済の活性化や雇用を生み出すことが目標だそうで、うるま市を中心にした沖縄の東海岸側の地域をサッカーをはじめスポーツビジネスを通して盛り上げ。最終的には沖縄、全県へ広げることが1つ目の理由となっています。高原さんが、沖縄の関係者から「サッカーチームを立ち上げ、成功モデルを作りませんか?」との声に興味を引かれたのがキッカケとなっています。

 

その結果はここ近年の沖縄へのサッカーキャンプの多さに表れています。日本のJリーグもJ1やJ2、J3のクラブだけではなく、中国や韓国など女子チームも含めて沢山のクラブチームの誘致へ繋がっています。沖縄キャンプへの問い合わせは50チーム以上あるそうですが、グラウンドの数に限りがあるので受け入れをお断りしているチームもあるようです。沖縄本島ではなく離島への受け入れなど、少しずつ改善できるようになっています。多くのクラブチームを沖縄へ誘致することは、ホテルや飲食店などを利用してもらうだけでも立派な地域貢献ですよね?そのキャンプを見学にくるサポーターやメディアの方が多く沖縄を訪れる事にも繋がっています。今の状況に満足しているワケでは無く、誘致はある程度できているので誘客の方にもっと力を入れていけば、もっと沖縄の地域にお金が落ちて経済が回るようになる。「そういうことをしていくのがここにチームがある理由だと思う。」と、私達うちなーんちゅとしても嬉しいことを言ってくれますね。

 

2つ目は、地元や地域の声を聞いたのが理由となっています。沖縄に新チームをつくることが決まり、まず地元のそして生の声を聞くようにしました。そんななか中学生サッカーの指導者たちから、こんな話がありました。「沖縄では優秀な中学生の選手は、みんな内地(県外)の強豪高校へ行ってしまうんです。沖縄に受け皿があれば、、」

もともとユース年代の育成に興味があった高原さんは、ドイツブンデスリーガでプレーしている頃にドイツの育成環境システムを見て日本とのギャップを感じたそうで、いつかドイツのような育成システムを日本でもやりたいと思っていたのです。「地元の生の声」をキッカケに自らの予定を早め、優秀な選手の受け皿になるようなクラブチーム作りにとりかかりました。この沖縄の優秀な選手を沖縄SVに迎え入れる。事が2つ目の沖縄を選んだ理由となっています。

 

沖縄SVはうるま市を拠点に、地域に密着した総合スポーツクラブの活動を目指して取り組んでいます。高原さん自身も住民票をうるま市に移しており、ここで骨を埋める覚悟でチームの運営に取り組むと宣言しています。

 

・沖縄SVの現在とこれから。

沖縄SVのスタートは、沖縄県社会人リーグ3部を振り出しに2年目は飛び級で沖縄県社会人リーグ2部を経験せずに1部に昇格と素晴らしい結果を残しています。それも2年連続で全国社会人選手権に出場し、九州各県サッカーリーグ決勝大会で優勝を遂げました。その中で九州リーグは、頂点のJ1からJ2、J3、JFL、地域リーグ、都道府県リーグとある中で地域リーグの一部となっています。つまり、沖縄SVの現在地はJ1からみれば5部にあたる場所にいます。ですがJ3との間にはJFLがあるのみなので。これまでのように順調にステップアップし続けると、目標に掲げている数年以内にJリーグ入りが見える位置にいます。

最近行われたFC琉球との沖縄県予選の天皇杯決勝は残念ながら敗れてしまいましたが、沖縄で2番目に強いサッカークラブとして認められた印象です。相手のFC琉球はステージが上の相手なので、プレースピードの違いややりたいプレーをさせてもらえない力不足を痛感しましたが、収穫の多い試合だった。と高原さんが試合後にコメントを残しています。

 

個人的に見ても、ここまで急成長していてしっかり結果を残しているクラブチームは全国を見ても本当にまれな事だと思います。それも高原直泰というサッカー界のレジェンドがここ沖縄を選び、自ら積極的に動く事で自然にサポートする人も増えていった結果なのだと感じます。沖縄にはFC琉球という立派なクラブチームもありますが、これからの伸びしろを含めると沖縄SVはとても注目して欲しいクラブチームとなっています。