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沖縄県にようやくセブンイレブンが出店!進出後の2年間が勝負

沖縄県に仕事で行くビジネスマンが驚くことに「沖縄県にはセブンがないの?」は意外と多いです。一気に不便さを感じる人も少なくないほどにセブンイレブンのブランド力はいまの日本人に浸透しています。このたびセブンイレブンは唯一の空白県だった沖縄県にセブンイレブンを出店することを発表、沖縄県は歓迎し、沖縄県民は喜びの声を上げています。今回はセブンイレブンの沖縄初出店についてまとめてみました。

 

■沖縄県にセブンイレブンが初出店

2017年6月9日にセブン-イレブン・ジャパンの古屋社長が翁長沖縄県知事と那覇市で会談し、2019年度をめどに沖縄県にセブンイレブンを出典することを表明しました。それに対し沖縄県民は喜びの声を上げています。

 

セブンイレブンは沖縄の地理的優位性と経済特区を活かし、沖縄に物流拠点(ハブ)を整備し、プライベートブランドである「セブンプレミアム」のアジアへの進出も検討しているようです。沖縄県はアジアでも最大級の成長をしている台湾に近く、文化や風土が似た台湾と絆を深めてきました。セブンイレブンは沖縄に活動拠点を置くことで、台湾が得意とするマーケティング力を活用しアジアに拡大すると予想されています。

 

セブンイレブンは那覇市を中心に50店舗(初年度)オープンを予定しています。その後5年で250店舗に拡大していく予定です。セブンイレブンは2017年5月末の段階で国内に約2万店舗を展開、沖縄県への出店でセブンイレブンのない都道府県はなくなります。

 

同記者会見にて古屋社長は「沖縄の人の生活が豊かで便利になる店をつくりたい」と目標を述べ、円滑な運営につながれば現地に子会社の設立も予想されており沖縄県内の雇用改善の一助になると考えられています。翁長知事も「心からうれしく思う」と歓迎の意向を示しています。

 

■セブンイレブンはドミナント戦略で牙城を狙う

現在沖縄ではファミリーマートとローソンが出店競争を繰り広げています。沖縄県内にはファミリーマートが319店舗、ローソンが212店舗展開しており競争はややファミリーマートが優勢なもののほぼ拮抗しています。しかし2年後にセブンイレブンが進出してくるということで競争は激化、既存のコンビニへのが影響は大きいと予想されています。

 

但し一部ではセブンイレブンの出遅れ感は否めないという評価があります。沖縄には独特の気候と食文化があり、どのように商品を展開していくか、店舗を拡大していくか(店舗網の整備)は先進組であるファミリーマートやローソンの戦略のいわゆる“二番煎じ”でいかなくてはいけないところもあると予想されています。また地元企業と協力することで後進の不利を挽回することも予想されています。

 

当面のセブンイレブンは一定のシェアを獲得した後、ブランド浸透に注力することになります。セブンイレブンは他の県でも短期間に集中出店し、効率的に配送を行い、認知度を向上させる「ドミナント戦略」をとってきました。沖縄でも既に50店舗のオープンが予定され、その後5年で250店舗に拡大と計画されているため、同じ戦略をとると予想されています。

 

■個々の消費者が特定のコンビニを支持する時代

コンビニで何でもできる時代になり、今は携帯電話と財布さえ忘れなければどこへでも旅行に行けると言う時代にさえなりました。そのため観光や出張で沖縄県を訪れる人にとって「セブンイレブンがない」と言う環境を不便だと評していました。

 

セブンイレブンユーザーにとって重要視しているのがnanaco、銀行(ATM)そして意外にもコンビニコーヒーです。ポイントが貯まるnanacoや所持しているキャッシュカードが使えるかどうかを重視する点は分かりますが、コンビニコーヒーとは意外な結果です。

 

経済評論家によると、今まではコーヒーを買うために「コンビニ、コンビニ」と”コンビニ“を探していたビジネスマンが、今では「セブン、セブン」と”セブンイレブン“、つまり特定のコンビニを探すようになったと言います。確かに都市部では半径数メートル以内にセブンイレブン、ローソン、ファミリーマートがありますから消費者は選べるのです。今は何ごとにもこだわりを持つ時代であり、コンビニコーヒーと言えど「セブンイレブンのコーヒーじゃなきゃ嫌だ(落ち着かない、しっくりこない)」というビジネスマンも多いのです。

 

セブンイレブンのブランド力は多くの日本人に定着しており、普段セブンイレブンを多く利用している人にとって「セブン、セブン」と無意識に探すようになりました。そのような意識にある人にセブンイレブンがない環境というのは不便なもので、今回の沖縄出店は観光客や出張や赴任で沖縄を訪れるビジネスマンにとっても快適な環境作りの一助となるのです。沖縄県の人にとって”憧れ“のセブンイレブンの出店は今後も注目が予想されます。