中国でどんな検索エンジンが使われているか知っていますか?

日本で有名な検索エンジンと言えば、「Google」や「Yahoo! Japan(Yahoo! )」ですが、中国ではどのような検索エンジンが使われているかご存知でしょうか。

2019年1月までの統計において、中国で使われている主な検索エンジンには、

百度(バイドゥ)
神馬(シェンマァ)
捜狗(ソウゴウ)
360捜索(サンリィウリンソウソウ)
Google
必應(ビィイン)Bing

があります。この他にもありますがシェアはとても少ないので、無視してよいでしょう。

それでは、以下ランキングも踏まえて、詳しくそれぞれの検索エンジンについて見ていきましょう。

 

最新の主要な中国検索エンジンランキング

「2019年中国検索エンジンランキング」の表からみてわかる通り、「百度」が圧倒的なシェアを誇っています。

以下、それぞれの検索エンジンの状況をご紹介します。

 

PC端末(2018年1月~12月)

Source: StatCounter Global Stats – Search Engine Market Share
百度:64.4%、Haosou(360):17.89%、GOOGLE:6.37%、Sougou(捜狗):4.99%、Bing:4.46%

スマホ(2018年1月~12月)

Source: StatCounter Global Stats – Search Engine Market Share
百度:69.74%、Shenma(神馬):22.75%、Sougou(捜狗):4.91%、Haosou(360):1.64%、Google:0.51%

 

百度


「百度」は、パソコン、スマートフォンどちらにおいても他の会社を大きく引き離していることに変わりません。この数年はスマートフォン市場の検索エンジンが拡大していますが、そのスマートフォン市場において7割近くのシェアを占めています。

一方で、「百度」は検索結果に自社関連の広告が多く、最近はブランドのイメージが下がっている一面や、シェアの真偽もありますが、百度の決算報告を見る限りかなりのシェアを集めていることは、間違いないでしょう。

最近では百度は信息流というサービスに力を入れており、スマホ版百度でよく目にしますが、いわゆるインフィード広告で、百度がピックアップしたニュースとニュースの間に広告を挟むことができ、ビッグデータを利用してユーザーに最適な広告を流すことで収入を増加させていています。

 

神馬


「神馬」はシェアを昨年の10.9%から22.75%と上げていて、「百度」に続く二番手としてのポジションを固めつつあります。スマートフォンの検索エンジンランキングでも2位につけています。ただ、「神馬」は現時点でスマートフォンのみの対応です。

UCの傘下でUCブラウザの愛用者は必然的に神馬を使うことになります。中国でのブラウザシェアはchromeが43%を占めていますが、UCブラウザ(アリババ系)、QQブラウザ(テンセント系)、Safariがすべて横並びの状態で、このブラウザシェアが神馬の地位を押し上げています。
Source: StatCounter Global Stats – Search Engine Market Share

 

360捜索


「360捜索」は、パソコンとスマートフォンどちらも対応していますが、スマートフォン市場でのシェアが1.6%とかなり苦戦していることが分かります。「360捜索」はパソコン市場では26%前後のシェアがあるのですが、スマートフォン市場において苦戦しているため、トップシェア争いから脱落してしまっています。
360捜索ではPC向けの商品、例えば大きなデータを扱うもの、B2B商品などが商材の場合、対策が必要で、スマホ向け商品に関してはほぼ対応の必要がないことが判断できます。
360はブラウザのシェアもあり(Googleのchromeベースのブラウザのためchromeのシェアに分類されます)、こちらのブラウザのシェアが神馬と同じく360捜索の検索エンジンシェアをキープしている一因となっています。
360はセキュリティソフトを多く取り扱っていおり、無料で使えるセキュリティソフト(日本語もあります)、WEBサイトチェッカー、など様々なツールがあります。
スマホ市場での検索エンジンのシェアを取るのは難しい状況にはなっていますが、強力なツールを武器にスマホ市場に展開もしています。

 

搜狗


「捜狗」のシェアは高くないものの、安定して一定のシェアを保っているイメージがあります。

 

Google

世界の検索エンジン市場でトップの「Google」に関してどうでしょう?

日本でもニュースになっていたのでご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、中国大陸から撤退してしまったため、現在使えるのは香港と台湾においてのみです。

ただし中国国内でも、6.37%のシェアと、VPN(Virtual Private Network)等を使用して「Google」を使うユーザーが増えたのかもしれません。「Google」ブランドに対して信頼があるのでしょう。

 

必應(Bing)

マイクロソフトの「必應」に関しては、4.46%をとなっています。

 

全体として、やはり各検索エンジン会社のシェアは去年とそこまで変わらず、業界内では「百度」が圧倒的な強さを誇っています。

中国の政府の政策の影響もあり、中国検索エンジン事情は他の国とは違い、かなり特殊な状況となっています。

 

百度にインデックスしてもらうには?

百度にインデックスしてもらうには百度が展開しているサービスに登録し、インデックス作業を行う必要があります。

ICPを取得しインデックス作業を行うとより効果的ですが、中国に法人がない限りICPの取得はできませんので、ICPがなくても百度にアピールできる方法をご紹介します。

 

百度資源


百度資源とはGoogleでいうサーチコンソールのような役割で、百度にWebサイトの存在を通知するために役に立ちます。

リンクはこちら

利用するには百度のアカウントが必要になります。正規の方法で行くと中国の電話番号が必要になりますが、百度アカウントは実は日本の携帯番号でも取得が可能です。

まずスマホのアプリストアから、百度検索のアプリをダウンロードし、アカウントを作成することで、海外の携帯番号でも百度アカウントを作成できます。

PCからでも可能なのですが、上記方法が簡単だと思いますので、ぜひアカウントを作成してみてください。

百度資源は残念ながら中国語のインターフェースしかありませんが、Webサイトのリンク提出、Webサイトのサイトマップ提出、ページの存在を通知するJSが入手可能です。

百度はGoogleよりクロールの回数が少ないので、上記作業を行うことは非常に有効です。

 

百度統計


百度統計とはGoogleのアナリティクスのようなもので、中国からのアクセスを統計できるツールとなっています。

今のところGoogleアナリティクスは中国国内でも利用可能(Webサイトに埋め込んでも問題ない)ですが、今後の規制具合によってはWebサイトにアクセスできなくなったり、遅延したりする可能性があります。

またGoogleアナリティクスが中国国内からのアクセスを正確に統計できているかという疑問もありますし、もし中国語でも問題ない場合、百度統計の1本に絞ることをお勧めいたします。

その他日本語のインターフェースで中国でも問題ないのはPtengineです。

実は中国にサーバーを置いているPtエンジン中国版も存在しており、中国国内の正規サービスとなっていますので、問題なく利用できます。

中国版はこちら

ヒートマップなどサイト改善にも有効な機能が複数ありますので是非利用してみてください。

百度統計はこちら