■沖縄都市モノレール線「ゆいレール」
沖縄にある都市モノレール線「ゆいレール」は、那覇空港と世界遺産首里城最寄りの首里駅を結んでいます。全長は、日本に10つあるモノレール路線のうち第四位の長さである12.9キロメートルあります。
各駅付近には、沖縄県の観光名所や商業施設が立ち並び、那覇空港からのアクセスの良さで主に観光客に人気の交通機関になっています。
県内の主要な施設の入場が割引になるオマケつきの1日もしくは2日間乗り放題の乗車券なども発行されており、観光客の利用を強く意識しています。
ただし、観光で乗る際に、このゆいレールでは主要な交通系ICカードがほとんど使用できないので注意が必要です。2017年11月現在、沖縄県内で発行使用されているICカード「OKICA」以外のICカードは使用できません。他のICカードについては、今のところ今後も導入の予定はないようなので、沖縄県民はOKICA、観光客は一日乗車券というようにそれぞれがお得に利用できることを見越しているようです。
■観光客を意識したダイヤ改正
2017年8月から、これまで平日と土日休日の2つのダイヤのみでの運行から、平日、金曜、土曜、休日の4種類へと増え、本数も1日あたり平日12本、金曜32本、土曜34本、休日14本とかなり増発されています。
ここで注目なのが平日から分離した「金曜ダイヤ」です。元々金曜日の乗車率が高めであったゆいレールでは、2017年7月から金曜日だけ臨時ダイヤでの運行を行っていたのですが、8月から独立ダイヤとして運行を開始しました。
その理由として最も大きいのが、やはり観光客の増加です。沖縄へ観光旅行に来る場合に金・土・日の2泊3日でくる方が多いため、ゆいレールの金曜日の利用者数は平日の他の曜日と比べて1割以上多くなっています。
車両にも、スーツケースを持って乗り降りしやすいようドア付近のスペースを広くとるなど観光客を意識した工夫がされており、那覇空港に降り立った観光客が宿泊先や観光地へ移動するのに利便性を高めています。
近年の沖縄では、人口増加や観光客増加に道路事情が追い付かず、朝晩や土日に多発する渋滞や観光地での駐車場不足が問題視されつつあります。那覇周辺の観光地を楽しむ際はゆいレールを上手に使っての移動がおすすめです。
■沖縄モノレール「ゆいレール」の今後
平成29年5月に発表された2016年度決算では、純損益は2億2,053万円で2003年に開業してから初の単年度黒字となりました。 乗客数も毎年増加しており、平成28年度では年間乗客数は約1,730万人に上りました。
2017年11月現在、ゆいレールは首里城駅が終点となっていますが、2013年から沖縄自動車道西原入口付近にある「てだこ浦西駅」へ4.1キロメートルの延伸工事が行われており、2019年春の開業を予定しています。完成すれば周辺の浦添市の住宅地の住人にとっては利便性も高まりますし、観光客も車とモノレールを上手に使いこなすことで観光しやすくなるメリットがあるのではないかと見込まれています。