沖縄文化観光観光-県民向け

沖縄の文化・風習とは!?–好評につき第2弾

前回掲載した沖縄の文化風習が結構好評だったので、前回に引き続き今回は少し長めにご紹介させていただきます。

前回の記事はこちら

 

沖縄には独特の文化・風習があります。本土とは異なる文化とも言われるくらいなので、県外の方は見たり聞いたりなどで驚かれた事もあると思います。沖縄が琉球王国と呼ばれていた時代から隣国の中国や台湾との関係が深かったこともあり、向こうの文化や風習を上手い具合に取り入れたのが「沖縄らしさ」なんだと感じます。今回はそんな沖縄の文化・風習について紹介したいと思います!!

 

・沖縄の歴史的な背景

沖縄の文化・風習の背景には「歴史」の説明が必要不可欠となっています。沖縄は約450年間琉球王国と呼ばれる独立したひとつの国でした。その琉球王国時代に海外交流が盛んで、中国や台湾など東アジアの国々との貿易から人と人との繋がり、そして文化交流が進んだと言われいます。なので、中国や台湾と似た文化や風習が沖縄にはあります。切り離すわけではありませんが同じ日本でもこれからご紹介するのは、沖縄独自でオリジナルと言ってもいいでしょう。

 

・お正月(旧正月)

沖縄にはお正月が2回あることをご存じでしょうか?皆さんと同じ1月1日の新正月と、2回目の旧正月があります。最近では新正月だけで旧正月をしない地域もあるようですが、逆に旧正月だけをする地域やどちらもする所もあったり地域やご家庭など沖縄でも結構違いがあります。

私はお正月が2回ある地域に育ったので、新正月と旧正月とお年玉も2回貰えましたし御馳走も沢山食べてきました。小さな頃は楽しかったですが、やっぱり大人になると大変ですね(笑)

 

旧正月には炭を昆布で巻いたお供え物や、新正月ほどではないですが市場やスーパーは買い物客で賑わいます。カレンダーでは普通の日なので、旧正月のタイミングで沖縄観光にこられたら少しビックリするかもしれませんね。それぞれの家庭で仏壇にお供え物をして、仏壇のある家に親族が集まりみんなで御馳走を囲みます。

 

沖縄でも漁業が盛んな糸満市は旧正月を大切にしている地域で、旧正月の元旦早朝に漁港では縁起物の大漁旗がそれぞれの漁船で見られるのもひとつの風物詩になっています。

同じく韓国や中国、台湾でも旧正月を大切に迎えられています。旧正月になると長期休暇を取り中国人観光客が日本で「爆買い」するのはこのタイミングなのです。旧正月を向こうでは旧正月=春節と言います。今年の旧正月は2018年2月16日(金)になります。

 

・シーミー(清明祭)

本土で言うお彼岸に近いのがシーミーです。逆に、うちなーんちゅに「お彼岸を説明して」と言っても答えられる人は少ないと思います。

毎年4月の下旬から5月の上旬と決まった日にちなど無く、親族のまとめ役的存在の人が日にちや段取りを決めて身内に連絡をしていきます。休日のゴールデンウイークに行うのが多いと思います。(休日のゴールデンウイークだと忙しくて行けない。という理由が通らない為なのもあります笑)

 

そして、シーミーとは?親族みんなで行くお墓参りの事です。ですが!ただのお墓参りとは違います。お墓参りに行き、その墓の目の前で御馳走を囲んで美味しく頂くのです!もちろん最初にお墓を綺麗に掃除して、お墓にお花や食事お菓子などお供え物をして親族みんなで線香をあげます。その後に、大きなブルーシートを広げお供え物を囲んで食べたり飲んだりが始まります。お供え物の食事と言っても重箱やオードブルと御馳走ばかり、飲み物も大人はアルコールも頂きます。

なので本土の人から見ると、お墓の前で宴会しているように見えるかもしれません。このシーミーの風景を初めてみるとカルチャーショックを受けると良く聞きます。ゴールデンウイークを利用して沖縄に遊びにきたタイミングで目撃するかもしれませんね!

 

シーミーは元々中国から伝わった先祖供養の行事で、親族一同が御馳走を囲み顔を合わせ楽しく過ごす様子を先祖が見て安心するとも言われています。

なのでお墓の前で宴会や、親族みんなでピクニックなど色々な呼ばれ方をされますが親族が集まる大切な日となっています。そして沖縄にあるどの風習よりも独特で、お墓の前でワイワイしていいのはきっと沖縄くらいでしょう。

 

・お盆(旧盆)

お正月は2回ありますがお盆は1回で、沖縄のお盆は旧盆の事になります。

旧正月と一緒で暦を旧の日付で見ます。旧盆は3日間あり最初の日を、先祖をお迎えする日「ウークイ」、2日目を中日と言う意味の「ナカヌヒー」最後の先祖をお見送りする日を「ウンケー」と沖縄の方言で言います。

ご先祖様をお迎えする準備として仏壇に、お菓子やお茶お花のお供え物やちょうちんなどの飾りをします。そして忘れていけないのが、この期間中にお中元を持って仏壇のある親戚の家を周り、仏壇の前にお中元を置いて線香をあげます。その為、沖縄では旧盆が休みや早上がりの会社や学校が多くあります。そのくらい沖縄の大事で大切にされている文化なのです。(旧盆も仕事だと、どんな会社に勤めているんだ?と半分冗談で言われることもあります笑)

 

旧盆初日には「ウンケージューシー」という沖縄風炊き込みご飯をお供えして、私達も頂きます。「ウークイ」には、三枚肉、かまぼこ、こんにゃく、ごぼう、昆布などを入れた重箱料理が準備され、こちらもお供えした後に美味しく頂きます。

3日間の最後の「ウンケー」を最も大切な日として、親族一同大集合して先祖をみんなでお見送りします。仏壇のある家の男性が最後に「ウチカビ」というあの世で使えると言われているお金を燃やして、お供え物(お中元)と一緒にあの世で使ってね。という思いを込めてみんなで線香をあげお見送りします。燃やしたウチカビや線香、お茶、水、酒、お米とおかずをちょっとずつボウルに入れてそれをアルミホイルで包んで向かって家の門右側に置いたら儀式的な段取りは終了です。

 

旧盆最後の日という事もあり男性陣は親戚周りでお酒を飲みすぎ、女性陣は台所仕事で疲れている為にどこの家も夫婦で1回は揉め事が起きます。それも楽しみのひとつと感じ始めたら、もうりっぱなうちなーんちゅだと思います(笑)親戚が集まる事が好きな人とあまり得意ではない人とハッキリ分かれる所ですが、これも付き合いのひとつとして捉えるしかありません。

 

正直、旧盆は大変です。沖縄のどの文化、そしてどの風習と比べても疲れる事間違いありません。

ですが、旧盆にも楽しい事はあります。それが「エイサー」です!沖縄の魅力のひとつでもある「エイサー」はこの旧盆の先祖を供養するための踊りなのです。ご存知でしたか??

なので最終日ウンケーは夜中まで色々な場所でエイサーが見る事ができます。そのエイサーのリズム、太鼓と指笛の音と三線の音色が疲れた身体を癒してくれます。

 

最後に忘れてはいけない事があります。旧盆の時に海に行くと怒られます。(あの世からやってきた幽霊的なのに足を引っ張られると言われています)本当にこの時期は、水難事故が多いと感じるので気を付けましょう。

今年の旧盆はウンケーが8月23日(木)、ナカヌヒーが24日(金)、ウークイが25(土)となっています。

 

 

今回は沖縄の文化・風習について紹介させて頂きました。沖縄では、旧正月や旧盆がいつなのか?が分かりやすいような「沖縄カレンダー」や「沖縄手帳」という物があります。普通の暦と旧暦とが一目でわかるうちなーんちゅには必需品となっています。沖縄の文化や風習に必須の旧暦を意識してみると、これまでとは違った一面が見えてくるかもしれませんね。