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6年に1度だけ開催される恋のお祭りマールジナとは!

沖縄県中城(なかぐすく)で6年に1度だけ開催されるお祭りマールジナとはいったいどんなお祭りなんでしょうか。今回は、マールジナについてご紹介します。

 

■中城(なかぐすく)

沖縄県中城とは、ちょうど沖縄県の中部に位置し、このエリアには、世界遺産である中城城跡(なかぐすくじょう)があることでも有名です。

 

中城城は、うるま市の勝連城(かつれんじょう)と首里城のちょうど中間地点にあるお城で、15世紀中ごろ、勝連城からの迫る脅威から首里城を守るために建てられたお城とされています。この中城城の城壁は、歴史的に大変価値があり、世界遺産として認定されており、観光スポットとしても非常に人気です。

 

■沖縄県内のお祭りで人気の綱引

本島で綱引と聞くと真っ先に運動会を連想しますが、沖縄県内で綱引はお祭りとして大変ポピュラーです。沖縄県各地100箇所以上で開催されており、旅行の時期が合えば、比較的簡単にご覧頂くことが出来るお祭りです。綱引を取り上げたお祭りが持つ意味は各地で様々。開催時期のほとんどが6月から8月に集中しており、ご先祖様の供養や、豊年の祈りをささげる為に開催されています。

 

沖縄県内の綱引で一番有名なのは那覇で行われる大綱挽です。沖縄県内では最大規模と言われており、この綱引では大きな道路が完全に封鎖され、参加される人々で周辺道路が埋め尽くされるほど。また飛び入りで観光客も参加出来ることろが人気ですが、人の波がすごく、綱までたどり着くのは至難の業。それほど地元の方のみならず、大人気のお祭りです。那覇の大綱挽以外にも、宜野湾市の大山大綱引きや、宜野湾市の真志喜大綱引きが大規模で有名です。

 

■マールジナとは

中城村の当間で行われる綱引は、他と異なり、6年に1度だけ開催される貴重な綱引のお祭りでマールジナと呼ばれています。1886年、中城殿内の奉公人が首里の綾門大綱を見物し、これを村に持ち帰ったことが起源とされています。130年以上も続く伝統のある綱引マールジナですが、毎年開催するのは当間では難しいという理由から、6年に1度だけの開催となりました。

 

当間のマールジナは、6年毎の酉年、卯年に開催されています。開催される年をカウントし、7年マールと呼ばれることもあります。

 

■当間のマールジナの特徴

綱引が始る前に、10種類以上の楽器と共に、山田殿に登り祈りを捧げます。その後、会場となる場所で、雄綱・雌綱の2本の綱の輪っかをつなぎ合わせ綱引が始ります。

 

沖縄県内で執り行われる綱引の綱はどこも大変大きいのですが、当間の綱は他とは違い、短くてあまり重さはありません。その為、雄綱・雌綱の2本の綱をそれぞれ担いだ状態で、空中でつなぐことが可能です。

 

当間のマールジナも他と同様に、2本の綱を雄綱・雌綱とすることから、男女の恋が成就することを祈願した、ロマンチックな意味合いのある綱引です。開始に先駆け、恋文を読み、空中で2本の綱の輪っかが合わさった部分にカヌキ棒を貫き外れないようにします。そして、綱を地上へと落します。地上へ落ちた瞬間が綱引開始の合図となり、勝負がはじまります。

 

■勝負(恋)の行方は

勝負は2本勝負になります。奇数ではなく、偶数での勝負であることが、この村の方の穏やかさを感じることが出来るのではないでしょうか。末永く子孫が繁栄していきますようにという思いの込められた、当間の綱引がマールジナなのです。

 

■さーさーさー

本島で綱引の掛け声というと「おーえす」ですが、当間の綱引では「さーさーさー」という掛け声で行われています。祭りに向けて、楽器の練習が、先輩から後輩へ、年配者から若者へと受け継がれていきますが、この掛け声も大切な伝統で、しっかりと伝承されています。

 

掛け声だけでなく、楽器練習、踊りの練習、様々な装飾品の準備を経て執り行われるマールジナですが、残念なことに、年々、参加者が減り続けており、深刻化しているとのこと。

 

その為、通常このようなお祭りは区内の住民によるお祭りがほとんどですが、近年、区外の者でも参加してくれる人を呼び掛けています。6年に1度しか開催されていないお祭りですので、1度機会を逃すと途絶えてしまう、何としても、当間の伝統的なマールジナを、守り抜きたい、そんな熱い思いは人々の元へと届けられているのです。

 

「さーさーさー」を合言葉に参加者を募り、6年に1度なんとか無事に開催が出来ています。

 

■旧暦の7月18日

開催日は、6年に1度。酉年と卯年の旧歴7月18日と決まっています。那覇の大綱挽のような派手さは当間のマールジナにはありませんが、恋の成就を祝うというお祭り、機会があれば、是非訪れてみたいものです。

 

■10年に1度

南風原町津嘉山でおこなわれる津嘉山大綱曳きは、当間の6年に1度を上回り、10年に1度しか開催されません。こちらは480年の歴史を誇ります。まだまだ知らないお祭りが沢山ある沖縄県、お祭り目当てで旅するもおすすめです。

 

参考ホームページ

http://toyomu.com/spot/spot.php?id=68